私はR3年度(2021年度)の中小企業診断士試験を独学で学習し、一次試験、二次試験まで合格いたしました。特に過去問マスター(以下過去マス)を使った「過去問高速回転」により、学習効果を高めることができました。
なお、わたくし自身は財務会計分野の完全なる初学者でした。
簿記?なにそれ?状態からのスタートです。
そんな状態からでも、過去マスに注力して「88点」を取得できました!気づいたら得意科目に!!
そこで、本記事では、一次試験、財務・会計について勉強の流れと過去マスの得点率についての記事を記載したいと思います。
過去問マスターを使用されている方は、勉強の進捗と、回数ごとの正答率等の比較にぜひご利用ください。
勉強順序
やりたい科目から進めていくことにしていました。
1番目 情報システム
↓
2番目 運営管理
↓
3番目 企業経営理論
↓
4番目 財務・会計
と進めていくことにしました。
情報システムについてはこちら。
運営管理についてはこちら。
企業経営理論についてはこちら。
科目概要
営利企業は利益を生み出すことを前提に存在しています。
利益とは、売上-費用のこと。
財務・会計では、ざっくりいうと
・どのように売上、費用、利益を計上するのかのルール、慣習
・利益を生み出すための売上、費用の計画・戦略
・キャッシュフローとは何か?利益とは違う。黒字倒産?
・投資の効果分析
等々を学んでいきます。

ざっくり過ぎるでしょう。。。
でも、大事な要素としては上記で間違っていないかと思います。
冒頭でも述べましたが、営利企業は利益を生むことで成り立ちます。
その、利益を生み出すお手伝いをする診断士として、財務・会計は必須のスキルといえるのではないでしょうか?
避けては通れない知識だと思います。
また、二次事例Ⅳは、財務・会計の知識をフル活用する必要があるので、一次の段階から二次を視野に入れて、気合を入れて勉強すべき科目の一つです。
勉強の流れ
まず、簿記って何?という状態からのスタート
TACみん欲しテキストを読んでみると、ちょちょっとまって。。なんだか暗号のような、、
というところからのスタートでした。

貸し、借りという言葉すら、初めて聞いた状態でした。
今思うと恥ずかしい。
こんな状態から、過去マスやり始めるのはさすがに無理だと思いました。
そこで、簿記三級初心者向けのテキストを近所の本屋で買って、まずはベース知識をつけようと、さらっと流し読みしました。
(一回読んだだけで理解できるほどの頭は持ち合わせていないので、流し読みで割り切っています。)
この一回流し読みは、こうかばつぐんでした。
その後、簿記関連のわからない部分は、この簿記三級テキストに立ち返ることで、理解を定着できました。
一回流し読みは、どこに何が書いてあるか、なんとなくわかるレベルで回せればいいのではないかと思います。
おすすめです。
あとは過去問回転あるのみ
簿記三級テキスト流し読みのあとは、過去問回転あるのみです。
ざっとTACみん欲しテキストの財務・会計を読んで、じっくり過去問をときます。
みん欲しテキストは、要所をつかんだテキストなので、~3時間を目安に読みます。(暗記はしません)
過去問はテキストに立ち返ったりしながら、本当の難問以外はしっかり理解するようにします。
下にまとめた正答率は、3回までしか記述していませんが、本番までには5回カコマスを回しました。
(4~5回目は不正解箇所のみ)

過去マス回しまくるとやっぱり答え(数字)を覚えてしまいます。
でも財務・会計は解くプロセスが大事なので、プロセスをしっかり理解するように心がけていました。
最後は暗記・語呂合わせもある
計算プロセスを理解するといっても、最後は暗記する項目もありました。。
受験者応援サイトを眺めていると、語呂合わせなんかがまとめられているページがあるかと思います。
(一発合格道場、タキプロ、他個人ブログなど)
なんとなくSNSをみるとか、ニュースを見るとかではなく、暇なときにはそんなページを見ていました。
簿記、会計の知識問題は深追いしない
財務分析、CVP、NPV、WACCなどの超頻出問題の対応に時間を割くべきです。
一方で過去問をやってると、なんだこれ?という知識問題も結構出てきます。
私は、この分野がそもそも得意じゃないし、ゼロからこれらの知識問題についてまで網羅するのは現実的でなかったので、知識問題は過去問以上は深追いしませんでした。

財務・会計一次の知識問題は、二次事例Ⅳとの関係性が小さいケースが多いので、個人的には深追い不要と思います。
それより上記の二次事例Ⅳとの関係が大きい超頻出分野に的を絞ったほうが良いと思います!
財務・会計について感想
解けたか否かがわかりやすい
財務会計は半数以上が計算問題です。
したがって解けたかどうか、解答欄にあるかどうかで判断しやすいです。
本番では何回か解いて解答欄に答えがなければ、計算あるいは回答プロセスを間違えているということなのでいったん飛ばして後回しにする!などの戦略が立てやすいです。
計算になれる!
一次試験では電卓の持ち込みが禁止です。
常日頃手計算で仕事している人なんて、あんまりいないですよね。
ですから、過去問を回す際にも自分にタイムプレッシャーをかけて、だらだらと解かないようにすることが重要かなぁと思います。
回答プロセスをイメージする
計算になれる!とは逆行しますが、実際に計算はせず、問題を見てぱっと回答プロセスをイメージする練習をしていました。
2~3周すると手計算には慣れてきます。
それ以降は手計算の時間がもったいないので、回答プロセスを想起する訓練を続けました。
そうするとカコマス一周でもそう時間はかからない。(計算問題だけに絞って数時間で一周できると思います)
優先順位をつける
時間がないのであれば、やはり風呂敷を広げすぎずに頻出問題に絞るべきだと思います。
筆者が考えるポイントは以下です。ご参考まで。
・原価計算は内容をイメージしやすく計算も容易なことが多い。しっかり理解する。
・財務指標分析は二次事例Ⅳで必ず出題される。項目の内容、意味、大小の優劣を間違えてはいけない。
・CVPも二次頻出の超重要論点。公式の暗記で解くのはもったいない。公式の導出を意識すること。
・CF,NPVも二次頻出論点。ここも公式の暗記ではなく、内容を理解したい。(私は、R3事例Ⅳのレジ問題、ほとんど解けませんでしたが。。)
・配当政策・ポートフォリオなどの難問は深追い不要。理解できなければ、後回しでよい。あとから理解できる。(と思う)
・C問題は合格のためには手を出す必要はないと思う。C問題をやるのであれば、ぜひ二次試験事例Ⅳの勉強に着手してほしい。
過去問回転の実際
財務会計の過去マス正答率の集計を行いました。
実施時期とその正答率を記載します。
実施時期はいつ?
カコマスを回したタイミング(1~3回目)はそれぞれ以下です。
1回目:2021/2/6~
2回目:2021/3/23~
3回目:2021/5/26~
上述していますが、3回目で不合格だった内容に絞って、その後も過去マスでの勉強は続けていきました。
過去問マスターでの記録方法
正誤チェック欄には、3種類の情報を記載しました。
1.〇 正解 自信をもって正解できた
2.△ 2択などに絞って正解、あるいは直前の問題解説に記載があったので正解
3.× 不正解 普通に間違えた
高速回転の正答率はどうだった

実際に、当時の記録をグラフにしてみました。
- 1回目で自信をもって正解できる問題はなかった。とても難しいと感じた。ちょっと心が折れました。。
- 2回目では、イージーな問題を中心に、半数程度は自信をもって正解できるように。
- 3回目は、2回目と比べて、解けるようになったなぁという実感はほぼなし。。
実際、得点率もほぼ変わっていない。 - そこで、4回目以降は理解できていない項目に絞って、回答プロセスを導く練習を進めました。
- 本番前までには、A,B問に絞って8~9割程度は自信をもって正解できるようになっていたかと思います。
でも、そうなったのは本当に試験直前で、ぎりぎりまでめっちゃ焦ってました。
二次の勉強をやる余裕などは当時はありませんでした。。
一次試験の実際の点数は?
結果的に、財務会計の点数は
「88」でした!!(得点Bが財務・会計です。)
こんな超初心者の私でも、高得点を獲得できました。
もちろんマーク運も多分にあったとは思いますが、それでも過去マスだけで十分得意科目にできることを示唆していると思います。

まとめ
私の場合は、まったくの科目素人でありながら、ほぼカコマス回転のみで、財務・会計を得意科目とすることができました。
やっぱり、過去マスを中心に勉強を進めるべきかと思います。

最初は付箋だらけだった過去マス。
徐々に付箋が取れるとともに、開き癖で膨らんでくる過去マス。
いろんな顔を見せてくれる過去マスが好きです。
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